- ご挨拶 -
令和7年1月1日より、札幌医科大学集中治療部教授を拝命いたしました数馬 聡(かずま さとし)と申します。私は北海道滝川高等学校を卒業後、2008年に弘前大学医学部を卒業し、その後17年間、札幌医科大学関連病院で集中治療、麻酔科学の診療・研究・教育に携わってまいりました。このたび、札幌医科大学の教授を拝命したことを受け、札幌医科大学および北海道の集中治療の発展のために、気概を持って誠心誠意努力する所存です。
札幌医科大学集中治療部は、救急集中治療部を前身とし、日本集中治療医学会理事長まで務められた氏家良人部長の時代には、旧ソ連からの重症熱傷小児症例を当部に搬送・救命されたことがニュースで大きく報道されました。その後、今泉 均部長は東京医科大学麻酔科学分野・集中治療部教授を経て、現在も精力的に臨床・研究活動を継続されております。
さらに初代教授である升田好樹先生は、基礎・臨床医学問わず、日本の敗血症診療を牽引して来られました。このような札幌医科大学集中治療部の歴史と伝統を受け継ぎつつ、教室のさらなる発展を目指して第二代教授として日々精進して参ります。
集中治療は、生命危機に瀕した重症の患者さんの呼吸・循環を中心とした全身管理を診療の基本としております。また心臓血管外科手術などのハイリスクな大侵襲手術の術後管理も担います。質の高い集中治療を通じて、患者さんの社会復帰を促し、社会に貢献することがわれわれの使命であると考えております。一方、大学病院に限らず、多くの急性期病院では相対的な集中治療医不足が全国的な問題となっております。急性期医療を担う人材育成とともに集中治療医自身が使命感と誇りを持って職務にあたることのできる環境構築にも務めて参ります。今後とも当教室と教室員をよろしくお願い申し上げます。